30カ国以上の採用をしてみてわかったLinkedInを活用した外国人エンジニア採用のポイントと実践ノウハウ
- Fumi Aoki
- 6月28日
- 読了時間: 4分
更新日:7月22日
近年、日本でのエンジニア採用の課題は年々深刻化しており、特にソフトウェアやAI、ロボティクスといった分野では、外国人エンジニアの採用に目を向ける企業が増えてきました。その中で、LinkedInは外国籍のエンジニアの登録も多く、有効なプラットフォームの一つとして活用の検討をされる方も多いかと思います。そこで、今回は私が今までエンジニアからビジネス職まで30カ国以上の人材を採用してきて見えてきたLinkedInの活用方法の一部をご紹介します。
なぜLinkedInなのか?
LinkedInは、全世界で10億人以上のユーザーを抱えるビジネス版SNSです。欧米やインド、東南アジアなどではエンジニアなど、人材に直接アプローチできるのが最大の魅力です。
特に以下のような点で有利です:
候補者の職歴やコネクションがわかり、職種別・スキル別での検索が可能(しかしBizreachなどと比べると検索の粒度が荒いです。)
直接ダイレクトメッセージが送れる(InMail機能の課金が必要です。)
グローバルに候補者を探せる
採用成功のためのポイントと実践ノウハウ
1. 自社と自分のLinkedInページを整備する
実際にLinkedInでの採用活動を始めるにあたり、まずはじめに英語でも情報が発信されているか、プロジェクトの魅力が伝わっているかなど、「この会社で働きたい」と思わせるページ作りが重要です。また、後述しますが、誰から送られてきたかも重要ですので、自分のプロフィールページも充実させた方が良いです。
2. 求人内容は英語で明確に
ポジションの役割、必要なスキル、勤務地(リモート可否)、VISAサポートの有無など、詳細を英語で記載しましょう。
3. 候補者へのアプローチはパーソナライズして送付、誰からのメッセージかが重要
テンプレートではなく、候補者の経歴に触れた個別メッセージを送ると良いですが、テンプレートでも20%~33%*くらいの返信率です。(*複数のハードウェア・ソフトウェアエンジニア向けの500件ほどのスカウト送信実績を参照)内容も大事ですが、優秀な人ほど多くのエージェントからメッセージを受け取っており、無視される可能性が高いです。なので、誰から送られているかも重要であり、CEOやCOO、Head of HRのようなポジションのアカウントから、直接送付した方が返信率が高い印象です。
4. EOR(Employer of Record)の検討も
日本在住が本当に必要なのかも要検討です。最近はEORも様々あり、安価なサービスもあります。特にミドルからシニアレベルのソフトウェアエンジニアのポジションであれば、海外のエンジニアを直接採用し、最初はEOR経由で契約するといったオプションも検討できると採用もしやすくなります。EORを利用すれば現地の雇用法を遵守することになるので、日本の雇用法に基づく採用よりもリスクが低いことが多いです。(国によって雇用法は全く違うので要調査が必要です。)
LinkedIn採用の注意点
1. 候補者の転職意欲がわかりにくい
候補者の転職意欲やLinkedInのログイン履歴をフィルターはかけることはできません。なので、返信があっても半数くらいはNot interestedというお返事をいただきます。そういった状況を踏まえると、数をある程度打った方が良い媒体なのかと思っています。
2. 情報量が候補者によって違い、フィルターの粒度が荒いのでソーシングの手間がかかる
ユーザが自分の職務履歴を入力するのですが、ユーザによってその情報量がまちまちです。なので、全く仕事内容や実績がわからない人もいます。そのため、ニッチなポジションの場合は、所属組織や学位などから専門分野などを推測してアプローチする必要があります。フィルターも詳細なフィルタリングはできないようになっています。(例えば年齢などでフィルターはかけることはできないので、Graduation yearなどから推測する必要があります。)
最後に
グローバル採用は決して簡単ではありませんが、LinkedInを活用することで、物理的な距離を超えて優秀な外国人エンジニアと出会える可能性が大きく広がります。自社の魅力を発信し、丁寧なコミュニケーションを心がけることで、採用成功に一歩近づくはずです。ただ、手間もかかるので、Linkedinを利用した外国人採用をしたい、社内でのLinkedin採用のオペレーション構築をしたい、どのEORが良いのか知りたいなどご興味があれば是非お問い合わせください!