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「エンジニア採用ならインド!」って本当?グローバル採用で見えたリアル

更新日:7月22日

2024年の12月に日本に戻ってきて驚いたことが、「エンジニア採用するなら、やっぱりインド!」という言葉。確かに、インドはエンジニア人口が多く、IT大国として知られています。英語力も高く、費用も比較的安いとされるため、スタートアップや大企業問わず「とりあえずインド人材を見てみよう」という動きが目立っています。でも、それって本当に正しいんでしょうか?


インド人エンジニアを「何十人も」採用したわけではない理由


私自身、これまでに何十人ものエンジニアを採用してきました。実際に面接した国籍も多岐にわたりますが、最終的に採用に至ったインド人はごく少数です。


逆に、採用してよかったと実感できたエンジニアの方は、チュニジア、スペイン、ロシア、アメリカなど、インド以外の国から来た方たちが多かった印象です。(後述しますが、そもそも国籍の固定概念を持って採用すべきではないと思っているのですが、便宜的にこのように書いています。)


「インド人材=安くて優秀」は幻想?


インドのエンジニアに期待されていることは、おおよそこんな感じでしょう:

  • コストが安い

  • 英語が通じる

  • 数が多い

  • 数学・情報科学の教育レベルが高い


これ自体は事実だと思います。ただし、人口が多ければ、優秀な人の母数も多くなるのはほぼ当たり前で、ナイジェリアやエチオピアで採用したっていいじゃないかという話です。なので、こういった“表面情報”だけで採用方針を決めると、以下のようなギャップに直面することも少なくありません。


グローバルエンジニア採用で実際に感じたギャップ


1. スキルのバラつきが大きすぎる

インドではエンジニア養成校の数も多く、玉石混交。「履歴書ではすごそう」に見える人でも、実際にコードを見てみるとレベルが合わないことも。


2. 「英語が通じる」と「通じ合える」は別問題

確かに英語は話せる。ただ、文化的背景や論理の展開の仕方の違いで、コミュニケーションに時間がかかることがあります。


3. 仕事への向き合い方が異なる

「できることを確実にこなす」より、「なんとか終わらせる」マインドセットに出会うこともちろん人による部分も大きいですが、「国で採る」よりも、「人で見極める」ことの重要性の方が高いです。


「国で選ぶ採用」から「価値観で選ぶ採用」へ


「インド人エンジニアはダメだ」という話ではありません。実際、インドにも素晴らしい人材はたくさんいます。ただ、「インドなら安くて優秀」という単純化された期待は、採用をミスリードすると感じています。


これからのエンジニア採用は、

  • 国籍に頼らず、

  • 自社の開発スタイル・カルチャーに合うか

  • 本当に価値を出してくれる人か


という視点で見ていくべきです。「エンジニア採用ならインド」という考え方が浸透しすぎている風潮があるなと思っており、もう一度冷静に、エンジニア採用を考え直すタイミングかもしれません。チームにフィットする優秀な人材は、国境を越えて存在します。国籍ではなく、「何を大事にし、どう働きたい人か」で見極めることが、これからのグローバル採用には不可欠だと感じています。

 
 
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